自宅や社内にlanケーブルを引くにあたり、その選定の段階から気をつけておかねばならない点がいくつかあります。
まず、lanケーブルが予定されたネット環境に適合したものであるか、カテゴリを確認しておきましょう。安価なCAT5の配線では通信速度が1Gbpsを上回る回線を契約してもケーブル起因で速度低下が起きてしまいます。ケーブルのカテゴリが決まったら、実際に線を這わせる空間の状況を確認しましょう。
自宅で配線する場合は、距離も極端に長くなることはないと思われますが、それでも狭いスペースを通さねばならない状況か、人の移動の妨げになることがないかを確認しておかねばなりません。断面が丸型のケーブルが最も安価ですが、狭いスペースを通したり、床上に配置する必要が出た場合は、フラットケーブルや高屈曲ケーブルを選択しましょう。フラットケーブルは細長いシートのような形状で厚みが薄いので、カーペットの下を通すような配線が可能です。壁にそってケーブルを這わせ、部屋の境目もたるみなく横切らせたい場合はどは直角にでも柔軟に曲げやすい素材で作られた高屈曲ケーブルが良いでしょう。
一つ注意点として、長いlanケーブルを複数本長い距離並走させることは避けましょう。隣り合う配線同士が出すノイズが通信を妨害しあう恐れがあります。どうしても並走させねばならない箇所はできるだけ距離を短くしたり、内部被服によってノイズ耐性を高めてあるSTPケーブルや2重シールドケーブルを用いましょう。このほかにも携帯用の巻き取り式のものなど、多数のバリエーションがあるので、配線がスムーズに行えるような経路とケーブル種類の組み合わせをしっかりと検討しておくようにしましょう。